このページの要点
- 契約は申込みと承諾の合致で成立し、書面は法令に特別の定めがある場合を除いて要らない(民法522条)。
- 意思表示は相手に到達した時に効力を生じる(民法97条1項)。承諾の通知が不要な取引では、承諾と認められる事実の時に成立する(民法527条)。
- 担当者の返事が会社の返事になるかは、代理権の有無で決まる(民法99条、109条、110条)。取引の前に権限を確認する。
- 成立の証明は、署名押印の推定(民事訴訟法228条4項)、電子署名の推定(電子署名法3条)、やり取り全体の記録で支える。個人が画面で行う契約には特例がある。
結論:契約は「申込みと承諾の合致」で成立し、書面は原則として要らない。争いになるのは「いつ」「何が」「証明できるか」
「LINEで『お願いします』と返しただけで、契約になるのか」「作業に取りかかったら成立なのか」「契約書に押印する前の段階で、すでに契約したことになるのか」。見積書や発注書で仕事を進めている人から、最もよく出る疑問です。結論を先に言えば、日本の民法では、契約は、申込みに対して相手方が承諾をしたときに成立し(民法522条1項)、法令に特別の定めがある場合を除いて、書面の作成その他の方式は要りません(同条2項)。口頭でも、メールでも、チャットでも、条件が合致すれば契約は成立し得ます。
ところが、実際の争いは「成立したかどうか」の一点では終わりません。争点は、次の3つに分かれることが多いのです。
- いつ成立したのか。成立の時点によって、キャンセルの扱い、着手後の費用の扱い、見積の有効期限との関係が変わる。
- 何が成立したのか。見積書、発注書、メールのやり取りのうち、どの内容が契約の内容になったのか。
- それを証明できるのか。口頭で成立しても、後から誰が見ても分かる形で説明できなければ、争いの場面で主張が通りにくい。
このページは、口頭、メール、チャット、着手、押印した書面、電子契約サービス上の承認という場面ごとに、成立の考え方と、成立を後から説明するための記録の残し方を整理します。税の取扱いは扱いません。書類ごとの役割は見積書・発注書・請求書の役割と契約の流れに、注文請書という書類の使い方は注文請書とは何かにまとめています。
条文で押さえる基本:申込み・承諾・到達
契約の成立を考えるときの土台は、次の3つの条文です。
条文例契約の成立に関する基本の条文(要旨)
- 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(申込み)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。(民法522条1項)
- 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。(民法522条2項)
- 意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。相手方が正当な理由なく通知が到達することを妨げたときは、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。(民法97条1項・2項)
- 申込者の意思表示または取引上の慣習により承諾の通知を必要としない場合には、契約は、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立する。(民法527条)
条文の趣旨を要約したものです。申込みに条件を付けて返した承諾は新たな申込みになる点(民法528条)は注文請書とは何かで、承諾の期間と撤回(民法523条)は見積書は申込みか、有効期限を過ぎたらどうなるかで扱っています。
ここで鍵になる言葉が「到達」です。意思表示は、相手方に到達した時から効力を生じます(民法97条1項)。承諾の意思表示も同じで、承諾する側が返事を書いた時、送信ボタンを押した時ではなく、その返事が相手に到達した時に承諾の効力が生じ、契約が成立するのが原則です。手紙の時代の規定では、承諾は発信した時に成立する旨の特別な扱いがありましたが、現行の民法は到達の時を基準にしています。メールやチャットでも、この原則で考えます。
場面別:口頭・メール・チャット・着手・書面・電子契約で、成立はどう考えるか
同じ「合意」でも、手段によって、成立の時点の説明のしやすさと、後からの証明のしやすさが違います。次の表で、場面ごとの考え方を比べます。
手段別:成立の考え方と、残すべき記録
| 手段 | 成立の考え方 | 後から説明するための記録 |
|---|---|---|
| 口頭・電話 | 内容が合致すれば成立し得る。成立は、承諾の言葉が相手に伝わった時 | 通話の日時、相手、確認した内容の要点。通話の直後に、要点をメールやチャットで送って確認する |
| メール | 承諾のメールが相手に到達した時に成立(民法97条1項)。内容が条件付きなら新たな申込み | 送受信の日時が分かる状態で保存する。件名に注文番号や見積番号を入れる |
| チャット・メッセージ | メールと同じ考え方。短い返事は、何に対する承諾かが問題になる | 画面のスクリーンショットだけでなく、日時と相手が分かる形で保存する。誰に対する、どの内容の返事かが分かる並びを保つ |
| 着手・発送 | 承諾の通知が不要な取引では、承諾の意思表示と認められる事実の時に成立する余地(民法527条) | 着手の日時、作業の記録、納品物の発送記録。着手前に、承諾の趣旨のメールを入れると明確になる |
| 押印・署名した書面 | 書面が相手に交付された、または双方が署名押印した時に成立と説明しやすい | 原本またはPDFの控え、署名押印の日付。日付が空欄のまま運用しない |
| 電子契約サービス上の承認 | サービス上の承認操作が相手に伝わった時と、サービスの規約で定められた時点が基準になる | 署名済みファイル、サービスが出す履歴・証明書、承認操作の日時 |
この表に出てくる「着手」の扱いは、まず注文書や契約書に「承諾の通知は要らない」と書かれているかを確認し、書かれていなければ過去の取引の慣行を検討する、という順序で整理します。着手を承諾とみる場合でも、何に対する承諾かが、書類で追えることが大切です。たとえば見積書の番号、注文の番号、メールの件名が一致していれば、着手の事実がどの申込みに対する承諾なのかが追いやすくなります。
確認の問いと理由成立したかどうかを確かめる問い
申込みは、契約の内容を示していたか
金額、内容、納期などの中心的な条件が示されていない問い合わせや、おおよその相談は、申込みではなく、申込みの準備にとどまることがある。何を示した時点で申込みといえるかが出発点になる。
返事は、承諾の趣旨か、受領や検討中の連絡か
「確認しました」「承知しました」は、読み方が分かれやすい言葉。内容を引き受ける趣旨かどうかは、前後の文脈や、その後の行動から判断される。
返事の中に、条件の変更や留保はないか
条件を付けた返事は新たな申込みになる(民法528条)。「ただし○○の場合は別途」といった一文が、承諾の効果を左右する。
その返事は、いつ、誰に届いたか
承諾の効力は到達の時に生じる(民法97条1項)。担当者個人の受信箱に届いたのか、会社の窓口に届いたのかが問題になる場合がある。
返事をした人に、承諾の権限があったか
権限のない担当者の返事は、代理の規定(民法99条、109条、110条)の問題になる。
成立の有無の判断は、一つの事情だけでは決まらず、これらの問いへの答えが重なって導かれます。
電子契約サービスを使う場合は、サービスの規約と画面の流れを確認しておく必要があります。一方が署名または承認の操作をした時点で成立とするのか、双方の操作が完了した時点で成立とするのか、サービスごとに定めが異なることがあり、契約書の本文にも、成立の時点を一文で書いておくと、運用が分かりやすくなります。電子署名法3条の推定がどの方式の電子署名に及ぶかについては、後の節で述べるとおり、提供者の説明と所管官庁の公表資料の原文で確認します。
「口頭では合意したが、まだ書面を作っていない」という段階も、契約が成立していることがあります。契約書の作成を予定している取引で、「契約書に署名押印するまでは契約は成立しない」という趣旨であれば、その旨を書面かメールで明示しておきます。明示がないまま作業が先行すると、書面ができる前にも、すでに口頭・メールの合意が成立しているという前提で、追加費用や中止の扱いが問題になります。
メール・チャットの到達と、「担当者の返事」は会社の返事か
メールやチャットで契約が成立するといっても、「いつ到達したか」「誰が返事をしたか」が問題になる場面があります。
メールで承諾する場合の成立までの流れ
到達は、一般に、意思表示が相手方の支配圏内に置かれ、相手が内容を知ることができる状態になることと説明されます。実際に開封して読んだかどうかとは別の問題です。
意思表示の通知が相手に到達しないとき、たとえば、相手方が正当な理由なく通知が到達することを妨げた場合には、通常到達すべきであった時に到達したものとみなされます(民法97条2項)。これに対して、送る側のアドレスの誤り、添付ファイルが大きすぎて届かない、相手のメールボックスがいっぱいで受信できない、といった事情があれば、到達したかどうかが争いになります。重要な承諾や変更の連絡は、送信後に、届いたかどうかを相手に確認する運用をとると、行き違いを防ぎやすくなります。
もう一つの場面は、返事をしたのが担当者個人の場合です。会社が相手方のとき、担当者が「承知しました」「その内容でお願いします」と返したら、会社の承諾になるのでしょうか。代理人がその権限内で本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に直接その効力を生じます(民法99条1項)。担当者に発注や承諾の権限があるなら、会社の意思表示になります。権限がなかった場合でも、会社が担当者に代理権を与えた旨を相手に表示していたとき(民法109条)や、担当者が権限外の行為をした場合に、相手方が権限があると信ずべき正当な理由があるとき(民法110条)には、会社が責任を負うことがあります。
ただし、これは「あとで争いになったときの理屈」です。取引を始める前に、相手方の担当者の発注・承諾の権限を確認し、金額が大きい取引や初めての取引では、権限のある立場の人からの連絡も得ておくと、争いを避けられます。発注の側にとっても、見積書や請書を受け取る相手が、誰の名前で承諾するのかを確認しておくことが、成立後の混乱を減らします。
書面がなければ成立しない契約もある:「法令に特別の定めがある場合」
民法522条2項は、契約の成立に書面等の方式は要らない、とする原則の例外として、「法令に特別の定めがある場合」を置いています。見積書や発注書だけで進められる取引でも、契約の類型によっては、書面が必要なものがあります。
書面や方式が問題になる契約の例
保証契約
保証人の責任を負う契約
- 書面でしなければ効力を生じない(民法446条2項)
- その内容を記録した電磁的記録によるときは書面とみなされる(同条3項)
- 見積書や発注書に保証を口頭で付け加えただけでは成立しない
建設工事の請負
建設工事を請け負う契約
- 契約の内容を書面に記載し、署名または記名押印して相互に交付することが求められる(建設業法19条)
- 見積書と注文書のやり取りだけで進めず、工事の契約では別の枠組みを確認する
- 詳細は建設業の別のガイドで扱う
明示・書面交付の義務がある取引
取引条件の明示や書面の交付を事業者に義務づける法令がある取引
- 発注側が条件を書面または電磁的方法で明示する義務(取適法4条など)
- 義務の違反と契約の成否は別の問題。契約は成立し得る
- 法令の対象になる取引かの判定は別のガイドで扱う
上の例は、契約の成立要件としての書面と、成立後に守る書面交付の義務とを区別して読むための例示です。契約の類型ごとに、成立の要件と、守るべき手続は異なります。
この区別は意外に大切です。「書面を作る義務があること」と「書面がなければ契約が成立しないこと」は別だからです。保証契約のように、書面がなければ効力を生じない(民法446条2項)という場合は、前者の意味です。これに対して、発注側に条件の明示を求める法令は、義務違反が行政上の措置や罰則の対象になっても、契約自体の成否には直ちに影響しないと説明されることが多いところです。取引がどちらにあたるかは、法令の条文で確かめる必要があります。
成立したことを、後からどう証明するか
契約が成立していても、争いになったときに「成立した」「その内容だった」と説明できなければ意味がありません。裁判の場面で書面の証拠力を考えるとき、私文書には、民事訴訟法228条4項の推定があります。私文書は、本人またはその代理人の署名または押印があるときは、真正に成立したものと推定されます。「真正に成立した」とは、その文書が作成者の意思に基づいて作成されたという意味です。署名や押印が、本人または代理人によるものと認められることが前提になります。
電子データについては、電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)3条が、電磁的記録について、本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る)が行われているときは、真正に成立したものと推定する、と定めています。電子契約サービスの方式によって、この推定がどう及ぶかの整理は異なると説明されることがあり、サービス提供者の説明資料と、所管官庁の公表資料の原文で確認する必要があります。
押印も電子署名もない、メールやチャットだけのやり取りは、署名押印による推定が働かないというだけで、証拠として使えないわけではありません。やり取りの全体、取引の経過、作業の記録、納品物、入金の記録などの事実が重なって、契約の成立と内容を示す材料になります。書類がない場合に集める材料は見積・発注・請求のトラブルとよくある質問で、保存については見積書・発注書・請求書の保存で扱っています。
成立を後から説明できるようにする記録の残し方
- 見積書・発注書・請書・メールの件名や本文に、共通の番号(見積番号、注文番号)を入れて、つながりを追えるようにする。
- 口頭や電話で合意したときは、その日のうちに、確認した内容を文章で相手に送る。
- メールやチャットは、日時・宛先・送信者が分かる形(元のデータ、書き出し)で保存する。スクリーンショットだけに頼らない。
- 承諾の趣旨を一言入れる(「この内容で承知しました」)。「確認しました」「受け取りました」だけで終わらせない。
- 電子契約サービスを使うときは、署名済みのファイルと、サービスが発行する履歴・証明書をあわせて保存する。
- 書類の日付欄を空欄のままにしない。日付のない書類は、成立の時点を示す手がかりを失う。
消費者が画面で行う契約の特例:確認の画面がないと、操作ミスを主張しやすくなる
ここまでは主に事業者どうしの取引を念頭に置いてきましたが、個人(消費者)がインターネット上の画面で行う契約には、特別なルールがあります。電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律(電子消費者契約法)です。同法でいう電子消費者契約とは、消費者と事業者との間で、電磁的方法により、コンピュータの画面を介して締結される契約で、事業者などが画面に表示する手続に従って、消費者が申込みまたは承諾の意思表示を送信するものをいいます(同法2条1項)。ここでいう消費者は個人で、事業として、または事業のために契約の当事者となる場合の個人は含まれません(同条2項)。
民法95条は、錯誤(思い違い)に基づく意思表示で、その錯誤が重要なものであるときは、取り消すことができるとし(1項)、その錯誤が表意者の重大な過失によるときは、原則として取り消せないとしています(3項)。電子消費者契約法3条は、消費者が、画面上の操作で、送信した時に申込みの意思がなかったとき、または異なる内容の申込みの意思があったとき(誤ったクリック、数量の入力ミスなど)には、この「重大な過失があれば取り消せない」という制限を適用しない、としています。ただし、事業者が、画面上で、消費者の申込みの意思の有無について確認を求める措置を講じた場合、または消費者のほうから確認措置は不要という意思を表明した場合は、この特例は働きません。
要するに、申込みの前に「この内容で申し込みますか」という確認の画面を出していない場合、消費者は、操作ミスによる申込みについて、自分に重大な過失があっても、錯誤を理由とする取消しを主張できる余地が残るということです。この特例は、事業者間の取引や、事業のために契約する個人には適用がありません。見積書や発注書のやり取りが中心の取引では、この特例が直接当てはまる場面は多くありませんが、個人向けにも画面で申込みを受け付ける会社は、申込みの確認画面の設計を契約の成立の問題として押さえておく必要があります。
成立をめぐって起きがちなこと
成立の時点をめぐる場面別の起きがちなこと
チャットで「お願いします」と返したが、内容の詳細は未確定だった
起きがちなこと何をお願いしたのか、金額や納期がどう決まったのかが曖昧なまま、作業が始まる。後から、成立したのか、どの内容で成立したのかが争われる
手当て返事を送るときに、見積番号や金額、納期を再掲する。成立後に内容を整理した確認メールを送る
見積の段階で作業の一部を先行させた
起きがちなこと正式な発注の前に、依頼を受けて下準備を進める。発注に至らなかった場合、費用の負担を巡って争いになる
手当て先行着手を求める場合は、発注に至らなかったときの費用の扱いを、書面かメールで事前に決める
契約書の署名前に、業務が始まっていた
起きがちなこと契約書は後日に署名する運用で、署名前の業務についての報酬や責任の扱いが決まっていない
手当て署名前の業務も契約書の対象に含める旨と、契約書の効力の始期を、契約書に書く(遡及の書き方)
担当者の独断の発注
起きがちなこと担当者が権限を超えて発注したため、会社が成立を認めない。受注者は着手済みで費用が発生している
手当て初回取引や高額の取引では、発注権限のある人からの確認を得る。社内の発注権限の範囲を文書にしておく
電子契約サービスでの承認ボタン
起きがちなこと一方がボタンを押したが、相手がまだ承認しておらず、成立の時点が不明確
手当てサービスの規約と画面で、どの操作で成立するのかを確認し、双方の承認が完了した後に着手する
成立の整理は、どの手段を使っても、「何に対する承諾か」「いつ相手に届いたか」「後から説明できるか」の3点に戻ります。続けて、成立後の内容のずれを防ぐ見積書・発注書・契約書の内容が食い違うときも参照してください。
よくあるご質問
LINEやチャットで「お願いします」と返しただけで、契約は成立しますか。
申込みの内容が示されていて、その内容に対して承諾の趣旨の返事が相手に到達したのであれば、成立し得ます。契約の成立に書面は原則として要りません(民法522条)。ただし、何に対する承諾なのかが曖昧だと、成立したのか、どの内容で成立したのかが争いになります。返事には見積番号や金額、納期を再掲しておくと、後から説明しやすくなります。
見積書に押印は必要ですか。押印がない見積書やメールの見積は無効ですか。
契約の成立に押印は要りません(民法522条2項)。押印がなくても、見積書に基づく申込みと承諾があれば成立し得ます。押印や署名は、書面の成立を証明する場面で意味を持ちます。私文書は、本人または代理人の署名または押印があるときは、真正に成立したものと推定されます(民事訴訟法228条4項)。押印がないことは、この推定が働かないということで、無効になるという意味ではありません。
契約書に署名する前に作業を始めました。この間の作業は契約に含まれますか。
署名前でも、口頭やメールで合意が成立していれば、その合意に基づく契約が成立していることがあります。後から作る契約書にその期間の業務が含まれるのかは、契約書の文面しだいです。契約書に、署名前の業務を含める旨と、契約の効力の始期を書いておくと、整理しやすくなります。
担当者が上司の了承なしに承諾の返事をしました。会社は責任を負いますか。
担当者に承諾の権限があれば、会社の意思表示になります(民法99条1項)。権限がなかった場合でも、会社が担当者に代理権を与えたと相手に表示していたとき(民法109条)、または権限外の行為について相手方が権限があると信ずべき正当な理由があるとき(民法110条)は、会社が責任を負うことがあります。個別の事情で判断が分かれるため、取引の前に権限を確認することが予防になります。
ネットショップで誤って注文ボタンを押しました。取り消せますか。
消費者が画面で行う電子消費者契約について、送信した時に申込みの意思がなかった場合などに、事業者が申込みの意思を確認する措置を講じていなければ、消費者に重大な過失があっても、錯誤を理由に取り消せる余地が広がります(電子消費者契約法3条、民法95条)。ただし、錯誤が重要であることなどの要件は別に必要です。事業者が確認画面を設けている場合や、消費者が確認措置は不要と表明した場合は、この特例は働きません。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、取引の内容ややり取りの経緯によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の取引や事業者を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 法務省 / 公正取引委員会 / 中小企業庁